=追記 - 2019/2/25=とても雑なキエフ国立オペラ劇場鑑賞記録(バレエ編) 便りがないのは良い便り~Pas de Nouvelles, Bonnes Nouvelles~ 忍者ブログ

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2024年05月02日
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=追記 - 2019/2/25=とても雑なキエフ国立オペラ劇場鑑賞記録(バレエ編)

2019年02月26日
2018/5/31ー追記しました。
2018/9/27‐再び追記しました。
2019/2/25-キエフオペラ座通い納めをして、赤字にて最後の記録を追記しました。


***


さて、雑な国立オペラ劇場の鑑賞記録、バレエ編です。
オペラ編同様、独断と偏見に満ちた5段階評価、青字は日本ではあまり公演がなさそうなロシア・ウクライナ的演目(キエフオペラオリジナル作品等)、複数回鑑賞したものは、かっこ書きで回数を表記しています。私のコメント量から、作品に対する熱量が測れると思います笑。


<<バレエ編>>

スパルタクス★★★★
・作曲:ハチャトゥリアン
・雑なあらすじ:ローマの執政官クラッススは、トラキアの王スパルタクスとその妻や仲間たちを捕虜とする。クラッススは娯楽として、捕虜同士を戦わせる。親友と戦わされる事を恐れたスパルタクスは奴隷達に反乱を呼びかける。スパルタクス達は見事奴隷達を解放し、逃亡するも、翌日野営地がクラッススに見つかり、スパルタクスは殺される。
・一言コメント:力強い!男性メインなので、ジャンプの高さや力強さがみていて楽しいです。マッチョメン達の筋肉も圧巻です(大体上半身裸です)。


ジゼル(2回)★★★
・作曲:アダン
・雑なあらすじ:踊りの大好きな村娘ジゼルは身分を隠した王子、アルブレヒトと恋に落ちる。しかし、アルブレヒトの正体と、すでに婚約者がいることを知りショックで死んでしまう。死後のジゼルは、森の沼の墓場で結婚前に死んだ女の精霊達の仲間入りをする。ジゼルに恋していた村の青年ヒラリオンは、ジゼルの墓場を訪れるが、精霊たちに囚われ、踊り続けて最後は死んでしまう。精霊は迷い込んだ人間を死ぬまで躍らせるのである。やがてアルブレヒトも囚われ、踊らされるが、力尽きそうになったところをジゼルが精霊の女王に命乞いする。ジゼルが時間かせぎをしたことにより夜が明け、精霊たちは墓へ戻っていく。一命を取り留めたアルブレヒトに、ジゼルの亡霊は別れを告げ、朝日を浴びながら消えてゆく。
・一言コメント:ストーリーが好きになれないが、ジゼルが死に至る、狂っていくシーンは圧倒的表現力により、美しくもみえた。アルブレヒトが本当にジゼルを愛していたのかどうかは、解釈が分かれるところらしい。


巨匠とマルガリータ(2回)★★★★★
・作曲:ショスタコヴィッチ、バッハ等(原作はブルガーコフ、ソ連で発禁処分となった作品で、死後出版→舞台化)
・雑なあらすじ:詩人と編集長が議論しているところに、謎の外国人が現れ、編集長の死を予言する。編集長は後日、電車に轢かれて死に、詩人はショックで精神病院へ。詩人は病院で「巨匠」と呼ばれる人物と知り合う。巨匠は書き上げた作品は反革命的であるとして発禁処分を受け、ショックの余り原稿を燃やし、発狂して病院へやってきたのだった。秘密警察によって、巨匠と引き離された愛人のマルガリータは、ヴォランドに、巨匠と会いたいと懇願し、再会させてもらう。巨匠とマルガリータはヴォランドによって天国へ連れて行かれ、永遠の幸せを得る。
・一言コメント:今まで見たバレエの中で一番面白く感じました。ソ連を感じさせる様々な要素(舞台美術、衣装、秘密警察や鎌と槌の小道具等…)、力強い男性バレエ、コンテンポラリー、ショスタコヴィッチの力強い音楽。私の好みのドンピシャでした。私はすっかりヴォランド役の人のファンになりました。あと、この小説の有名な一文に「原稿は燃えないものだ」というのがありますが、一番最初のシーンはその、原稿を燃やすシーンから始まります。電車に轢かれた編集長の頭がごろりと落ちたり、女NKVD達が革の長いコートを着ていて女王様みたいだったり(尋問のシーンとかある)、古代エジプトに飛んで、キリストが処刑されたりと、こんなバレエもあっていいのか!と衝撃を受けました。
・補足コメント:原作のブルガーコフはキエフ生まれで、ブルガーコフ博物館がアンドレイ坂にあります。私も鑑賞したあと、訪問してみました。ブルガーコフ作品を読んでいればとても楽しいと思います(私には知識が足りませんでした)。
 ブルガーコフ博物館オフィシャルサイト
 http://www.bulgakov.org.ua/


白鳥の湖★★★
・作曲:チャイコフスキー
・雑なあらすじ:オデットは悪魔によって白鳥に変えられてしまう。呪いは、まだ誰も愛した事のない男性に愛されなければとけない。夜だけ人間の姿に戻れるオデットの姿に一目ぼれした王子のジークフリートは、彼女を城の舞踏会へと招待する。悪魔の娘が、オデットに扮して舞踏会へとやってきて、舞踏会で自身の花嫁を選ぶよう言われていたジークフリートは、それに気付かず悪魔の娘を花嫁に選ぶ。王子は過ちに気付き、オデットに許しを請い、悪魔を倒すが呪いはとけない。絶望した二人は池に身を投げ、来世で結ばれる。
・一言コメント:3大バレエの1つ。初心者的に言わせて貰うと、衣装等含め、初心者が「バレエ」と言われて思い浮かぶ感じを凝縮させた作品だと思います。


くるみ割り人形★★★★
・作曲:チャイコフスキー
・雑なあらすじ:少女クララはクリスマスにくるみ割り人形をもらう。夜中、クララが人形の様子を見にくると、クララの体は小さくなってしまい、おもちゃの国へと迷いこんだ。するとねずみの大群がおそってきた。そこへくるみ割り人形率いるおもちゃの兵隊が助けに入り、ねずみ王を倒す。気付くと、くるみ割り人形は王子様の姿になっていた。人形は、ねずみの女王に呪われた王子だったのだ。王子はクララを雪の国とお菓子の国に招待する。クララの歓迎の宴が開かれる。
・一言コメント:いわずと知れたクリスマスの定番バレエ(3大バレエの1つ)。とにかく有名曲のオンパレードで、バレエ初心者には楽しいです。夫は「ソフトバンクのCMの曲!」と喜んでいました。子供ができたら、是非子供とみたい作品。


スペインの庭の夜★★★
・作曲:マヌエル・デ・ファリャ
・雑なあらすじ:魔法の庭で起きる、ある夜の物語。ニンフやらなんやらが出てくる幻想的な話。(よく覚えてないし、調べても出てきません。これ以上ない雑解説ですみません。)
・一言コメント:1時間くらいの短い演目です。大抵ほかの短い演目とセット(後述の、同じファリャ作曲の「三角帽子」とセットが多い)で上映されています。


三角帽子★★★★
・作曲:マヌエル・デ・ファリャ
・雑なあらすじ:アンダルシアが舞台。粉屋の主人には、美人の妻がいる。代官は一目ぼれして言い寄るが、振られる。代官は粉屋を落としいれ、なんとかして粉屋の妻を手に入れようとするが、悪戦苦闘し失敗、粉屋の夫婦には平穏が戻り、一件落着。
・一言コメント:スペインらしい華やかな衣装、明るい音楽で楽しいです。


眠れる森の美女★★★★★
・作曲:チャイコフスキー
・雑なあらすじ:オーロラ姫の誕生を祝うため、6人の精霊がやってきて、それぞれ祝福する。招待されなかった邪悪な妖精カラボスは怒って「オーロラ姫は16歳の誕生日に、指を刺して死ぬ」と呪いをかける。未だ祝福を終えていなかった6人目のリラの精は「カラボスの呪いが強すぎて解けないが、姫は指を刺しても死なず、100年眠り、王子の口付けで目覚めるでしょう」と宣言する。オーロラ姫は16歳の誕生日、何者かに渡されたつむで指を刺してしまい、倒れる。リラの精は城の者たちを、オーロラ姫が目覚める時まで眠らせる魔法をかける。100年が経ち、狩に飽きたデジレ王子は森でリラの精にオーロラ姫の幻を見せられ、一目ぼれする。王子は早速城にしのび込み、オーロラ姫は彼の口付けで目覚め、城の者たちも目覚める。王子は改めて姫に結婚を申し込み、二人の盛大な婚礼の儀式が開かれる。
・一言コメント:3大バレエの1つ。「バラのアダージョ」と呼ばれる、オーロラ姫が4人の王子から順にバラを貰う踊りがとても有名です。
・補足コメント:青い鳥役の人が、前述の「巨匠とマルガリータ」のヴォランド役の人による演技だったので、それがみられただけでとても幸福でした。あとは、やっぱり人数の多いダンスシーンは、初心者にとってはみていて楽しいですね。


カルメン★★★★★ (短縮版)/(2回)
・作曲:ビゼー
・雑なあらすじ:ジプシーの女、カルメンは騒ぎを起こして投獄されるも、恋におちた衛兵の伍長ホセに逃がしてもらう。しかし、ホセがカルメンと再会する頃、カルメンの心は闘牛士エスカミーリョに移っていた。ホセはカルメンに復縁をしなければ殺すと迫るが断られ、逆上してカルメンを刺し殺す。
・一言コメント:とにかく知っている曲ばかり(第一幕への前奏曲、「恋は野の鳥」、闘牛士の歌、アラゴネーズなどなど…)なので、初心者向け。また短い(1時間強)なので、飽きずにみられる。また、カルメンが自由奔放で小気味良いので、個人的に好き。


椿姫★★★(※ノイマイヤー版じゃないので注意!キエフバレエオリジナル)
・作曲:ベートーベン、ブラームス、ストラヴィンスキー等
・雑なあらすじ:若手芸術家の集まる劇場で、若き作家アレクサンダーは娼婦マリーと恋に落ちる。しかし、マリーのかつての恋人達等の噂を聞き、一族の評判を傷つけると判断したアレクサンダーの父は、秘密裏にマリーに別れの手紙を書かせる。引き裂かれた恋人達は絶望する。マリーがアレクサンダーと別れたことを聞きつけた元恋人の公爵が復縁を求めてマリーに近づくが、マリーは拒否する。二人は純愛だったのだと気付いたアレクサンダーの父は、真相を話し、二人は再会する。マリーは幸せの中、死ぬ。
・一言コメント:バレエにレイプシーンがあるというのが驚きでした。
座席が悪すぎて(数百円の目の前に柱がある座席でした)、残念ながらあんまり感想を持てる状況にありませんでした。座席の位置の大切さを学んだ回でした。いつかもう一度みようと思います。オペラも。


ロミオとジュリエット(2回)★★★★
・作曲:プロコフィエフ
・雑なあらすじ:人々が教皇派と皇帝派に分かれて対立したが14世紀のイタリアが舞台。皇帝派のモンタギュー家の1人息子ロミオは、対立している教皇派キャピュレット家にしのびこみ、キャピュレット家の一人娘ジュリエットと恋に落ちる。しかし、後日親友をキャピュレット婦人の甥ティボルトに殺されたロミオは、怒りの余りティボルトを殺してしまう。ロミオは追放の罪となり、ジュリエットは親から縁談を持込まれる。ジュリエットは修道僧ロレンスに相談し、仮死できる毒を貰う。しかし計画は上手くロミオに伝わらず、ジュリエットが毒で死んでしまったと勘違いしたロミオは彼女の墓前で、毒薬を飲んで自殺する。仮死がとけ、目が覚めて死んだロミオを発見したジュリエットもまた、短剣で自殺する。二人の死体を発見し、真相を知った両家は悲嘆にくれ、ついに和解を決意する。
・一言コメント:こちらもくるみ割り人形同様、ソフトバンクのCMやのだめの挿入曲に使われていた有名曲があります(「モンターギュー家とキャピュレット家」または「騎士たちの踊り」)。


ショピニアーナ(レ・シルフィード)★★★★ 
・作曲:ショパン(それゆえ、"chopiniana"というタイトル)
・雑なあらすじ:あらすじはない。森の精と詩人(ショパン?)が木の下で踊り明かす話。
・一言コメント:短い1時間くらいのバレエで、ほかの短い演目と一緒に上演されます。とにかく有名曲が多いので、初心者向けかと。衣装もふわふわで白くて、腰に羽がついていて、バレエのイメージ通りの雰囲気かも。(私の好みでは必ずしもないですが、好きな方が多そうだなという印象。)


ウィーンナー・ワルツ★★★★(キエフバレエオリジナルの模様)
・作曲:シュトラウス
・雑なあらすじ:ウィーンが舞台。ウィーン郊外でビール祭が開かれている。若き作曲家フランツが祭りの曲を担当している。祭りには、伯爵と有名なバレリーナ、カーラが訪れており、フランツは彼女に一目ぼれする。それを見たフランツの恋人アンネイは怒る。伯爵はフランツを城へと招待し、フランツは喜んでパーティーに参加する。フランツはパーティーでカーラに求愛するも、ファンや有名人に囲まれたカーラは迷惑そうにするだけ。場違いな自分を悟り、フランツは嵐の中城を飛び出す。フランツは自分が愛しているのはアンネイだったと思い出し、アンネイの元へと戻る。平穏が訪れ、人々はドナウ川のほとりで踊る。
・一言コメント:誰も死なない、気楽にみれるバレエです。特に色んな華やかな衣装を着たバレリーナのワルツは優雅で楽しいです。でも私がアンネイならフランツを許さないね笑。


韃靼人の踊り★★★★★←5/31追記
・作曲:ボロディン(未完成のまま死んだ為、それをリムスキー・コルサコフとグラズノフが完成させた。)
・雑なあらすじ:『イーゴリ公』というオペラの中の第二幕を切り取ったバレエ。ルーシの街への韃靼人(=タタール人)侵攻を防ぐ為、イーゴリは遠征に出かけるも、捕まってしまう。囚われた先で、敵将のコンチャークが気晴らしにと開催した宴の部分がこのバレエにあたる。
・一言コメント:なんといっても、話の舞台がウクライナ近辺、というのが嬉しい。私の好きな要素が沢山入ってました。エキゾチックさ(タタール人の衣装)と男性の力強いバレエ。タタール人が馬に乗って駆けているシーンを踊りにしていて、振り付けで騎馬を表現しているの、感動してしまった。(ちょっとカンナムスタイルを思い出させる笑。)すごい短くて30分で終わった。それゆえ、基本は他の短い演目とセットで上演される。


海賊★★★★★←5/31追記
・作曲:アダン
・雑なあらすじ:難破した海賊船の船長コンラッドはギリシャの娘、メドゥーラ達に助けられる。二人は恋に落ちるが、メドゥーラはオスマン軍に捕らえられ、奴隷市場へ連れて行かれる。コンラッドとその友人ビルバンド、コンラッドの忠臣アリは、総督パシャに買われた娘達を助けに行く。コンラッドは助け出した娘達を解放したが、それをよく思わなかったビルバンドは、娘達を奪われた奴隷商人と手を組み、コンラッドへの報復として、メドゥーラをパシャの元へ返す。コンラッドは巡礼者を装い、パシャの屋敷へ潜入、メドゥーラを奪還して二人で船で逃げるのだった。
・一言コメント:いわずと知れた名作バレエの一つ。一般的にはアリの踊りが見所らしい。私はビルバンドが好きだったな。あと、パシャの演技がものすごいエロ親父感出ていて、観客がみんな笑っていた。こういうのを演技が上手いというんだろうなあ、と思った。私の好きなダイナミックな男性バレエと、エキゾチックな舞台美術で大満足の演目でした。しかしキエフバレエのオリジナル演出なのか、最後が夢オチ扱いだったのには、友人も私も「なぜ…?」と首をかしげたのでした。


ユリウス・シーザー★★★★←9/27 追記
・作曲:レフヴィアシヴィリ(Rekhviashvili)、ウクライナ人。シェイクスピアの『ユリウス・シーザー』の一部を切り取る形で作られた脚本。カエサルが死ぬところで終わってしまう。
・雑なあらすじ:ポンペイに勝利したカエサルの凱旋行進をみる為に人々は集まっていた。カエサルに不満を持つキャシアスはブルータスにカエサルの暗殺をそそのかす。暗殺者の一味に何も知らないカエサルは誘い出され、多くの太刀を受け、ブルータスのとどめによって、カエサルは死ぬ。
・一言コメント:キエフバレエの久々の新作。在ウのイタリア大使館後援作品。2幕で、戦で息子を失った母親が、嘆きながらカエサルを責めるシーンがあって、その母親の演技がなんとも悲しくて不気味で大変気に入りました。また、カエサルの壮絶な死のシーンも盛り上がります。やはり男性バレエはダイナミックで好きです。
・補足コメント:かの有名な「ブルータス、お前もか」はこの作品の台詞ですね。あと、ポンペイ遺跡を見た直後に鑑賞したので、そういう意味では感慨深かったです。


ラ・バヤデール★★★★9/27 追記
・作曲:レオン・ミンクス(「ドン・キホーテ」の作曲をした人)
・雑なあらすじ:舞台は古代インド。戦士ソロルと寺院の舞姫二キヤは密かに愛し合っていた。ところが、ソロルを気に入った王、ラジャはソロルを娘のガムザッティと結婚させようとする。ソロルは断りきれずガムザッティとの結婚を承諾する。また、二キヤに恋し、拒まれた僧侶はソロルと二キヤの関係に気付き、ラジャに告げ口する。二人の関係を知ったガムザッティは、二キヤにソロルを諦めさせようとするが、二キヤが拒否したため、侍女にニキヤの毒殺を命じる。ソロルとガムザッティの婚約の儀式にて、ニキヤは悲しそうに舞うが、ガムザッティの侍女に仕込まれた蛇の毒牙に倒れ、死ぬ。悲しみにくれるソロルはニキヤの幻覚と共に踊る。
・一言コメント:ロシア関係の方は「バヤデルカ」と呼ぶこの演目。どうやらキエフ国立バレエの始めての演目がこれだった様です。感慨深いですね。ちなみに、一部の演目だと最後寺院が崩壊して全員死ぬエンドなどもあるらしく、できるならばそれもみてみたいな~と思いました。
・補足コメント:ヴェールを足に巻きつけ、もう片側を手に持って踊る難しそうな踊りや、全身を金色に塗った「黄金の仏像の踊り」、壷を頭に乗せてバランスよく踊る「壷の踊り」(勿論壷は本当は頭に固定されている)等、かなり個性的で、エキゾチックで、ドラマチック!ほかの演目ではないような踊りが面白かったです。


森の歌★★★★9/27 追記
・作曲:スコルルスカ(Skorulska)、ウクライナ人。ショスタコビッチの「森の歌」とは別物で、ウクライナの詩人、レーシャ・ウクラインカの詩『森の歌』をベースに作られた脚本。
・雑なあらすじ:ウクライナの村の青年ルカシュは、森で妖精マフカと出会い、恋に落ち、結婚する。しかし、農作業が上手くできないマフカは義母に疎まれ、ルカシュも手際よく作業をする村の未亡人キリナに目移りし、マフカを邪険にする。傷ついたマフカは猫柳の木に姿を変え、ルカシュの前から姿を消す。そうして漸く、やはりマフカが好きだったと気付いたルカシュは、気が狂い、キリナを捨てて、森の奥へとマフカを探しに戻る。二人は再会し、そこで話はおしまい。
・一言コメント:これは久々のクソヤローが出てきました!(今のところ私の中のクソオブクソヤローは『蝶々婦人』のピンカートン)マフカもキリナも可哀想だ。
人間の生活に上手く適用できない妖精をうとましそうな目でみる人間の姿をみて、人ではないものを愛するならば、それなりの覚悟を持って愛せよ!!と思いました。
小麦の精とか、炎の精とか、少しメルヘン要素もあり、ウクライナらしい演目だと思いました。
ちなみに、赴任して最初の一年半はレーシャ・ウクラインカ通りに住んでいたので、絶対にいつか行きたいなあと思っていた作品でした。公演数は多くないのでずっと予定が合わず逃し続けていたのですが、漸く!
・補足コメント:作者のレーシャ・ウクラインカはウクライナの通貨グリブナの200グリブナ札のお札にもなっている人で、ウクライナを代表する詩人でもあります。
北大の原田先生という方が、レーシャ・ウクラインカとナショナリズムについて書いた論文を発見したので、詳しく彼女について知りたい方はこちらを:

 

白雪姫と7人の小人★★★←2/25 追記
・作曲:ヨハン・シュトラウス2世、振付と脚本はキエフオペラの振付師・脚本家による。
・雑なあらすじ:必要ですかね?継母にうとまれた白雪姫が、城から逃げ出し小人と森で暮らすも、追いかけてきた継母が化けた魔女にもらった毒リンゴを食べ、仮死状態に。そこへかけつけた王子の口付けで白雪は生き返り、王子と城へ戻り、継母を追放してハッピーエンド。
・一言コメント:子供向け演目の定番という感じで、大変にストーリーがわかりやすい。予習しなくても大丈夫。白雪が殺されそうになるシーンなど、周囲の子供たちが「!!」と息を呑む音が聞こえたりして、とてもほっこりします笑。


ライモンダ★★★★←2/25 追記
・作曲:アレクサンドル・グラズノフ(リムスキー=コルサコフの弟子)
・雑なあらすじ:美人で有名なライモンダ(伯爵夫人の姪)は、婚約者のジャンが十字軍に出征するのを見送る。一人になった彼女の前に、「白い貴婦人」が現れ、ジャンの幻を見せるが、幻は途中から突然見知らぬ男へと変わり、男はライモンダに求愛する。幻から目覚めたライモンダが、パーティーに参加すると、幻に出てきた男が現れ、サラセン王のアブデラフマンと判明する。アブデラフマンは改めて彼女に求愛するが、そこへジャンが戻り、二人はライモンダをかけて決闘する。最終的にジャンが勝利し、ライモンダと結婚する。
・一言コメント:、『眠れる森の美女』、『くるみ割り人形』、『白鳥の湖』、『ドン・キホーテ』等の名作の振付師、プティパの作品なので、必見!!また演出は複数あり、ライモンダがアブデラフマンに傾いてしまうバージョンもあれば、全く相手にしないものもあるらしいけど、キエフオペラ座の演出は、ライモンダさん完全にアブデラフマンの事大好きになっちゃってました。ジャンに彼が倒された時はものすごい落ち込んでたし。でも、それが納得できるくらい、公演中のアブデラフマンが明らかにジャンよりかっこよくて、誰もがアブデラフマンの方がいい!って言うだろうなと思いました。
・補足コメント:サラセン人=ムスリム、なんですね。イスラム教徒の討伐を目的とした十字軍に参加した主人公の婚約者が、ムスリムの王を討ち、最終的に主人公と結婚するというストーリーになんともいえない後味の悪さを感じてしまいました。。。(ジャンよりアブデラフマンがかっこよく見えただけに。)




コッペリア★★★←2/25 追記
・作曲:レオ・ドリーブ、ドイツの小説家ホフマンの『砂男』がベースの作品。
・雑なあらすじ:ガリツィア地方(今のウクライナ西部)が舞台の作品。偏屈なコッペリウス博士は、美しい人形コッペリアを作る。村の若者フランツは窓からのぞく美しいコッペリアを本当の人だと信じ、本気で恋してしまう。彼の婚約者スワニルダは、それが面白くなく、コッペリウス博士の家に忍び込む。同じくフランツも、コッペリアに会いにコッペリウス博士の家に忍び込むが、博士に見つかり大目玉をくらう。以前よりコッペリアに魂を吹き込みたかった博士はフランツを酔わせ、フランツの魂をコッペリアに移し変えようとするが、動き出したコッペリアは、実はスワニルダが人形に扮した姿だった。最終的にコッペリアが人形であった事を知ったフランツは落ち込むが、スワニルダと和解しハッピーエンド(博士はうまく丸め込まれる)。二人はめでたく結婚する。
・一言コメント:キエフバレエ学校の学生さんが演じる演目でした。学生さんのダンス故、普段オペラ座で鑑賞する演目より少し粗が目立つ傾向にありますが、若くて溌剌、キラキラしている青少年達の演技は素敵です。特に私のみた回はコッペリア役の子の笑顔がもうなんともかわいらしくて、それはもう村中の男性を魅了するのがわかるわ!という納得の配役でございました。
・補足コメント:12時スタートの演目は大体子供向け演出となっており、通常演目より分かりやすいストーリー(前述の通り)に改変されていました。が、おかげで逆にイマイチ博士とスワニルダが共謀していたのか、スワニルダが独自の機転で立ち回ったのか、ストーリーが理解しきれませんでした。。。



尚、私の好みの偏りとしては、男の身勝手や女の自己犠牲エンドな作品を低評価にしている傾向にあります笑(『蝶々婦人』、『ノルマ』、『ジゼル』等)。
あと力強い男性バレエが好きなので、ダイナミックさを感じる『スパルタクス』、『巨匠とマルガリータ』、『海賊』あたりは評価高めです。

あと、ウクライナ作品(『リリア』等)をもっとみたいんですが、滅多にやらず、予定とかぶっていることが多いので、逃し続けています。うーん、残念。

また新しい演目をみたら、随時追加していきたいと思います。


鑑賞記録オペラ編はこちら





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