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2025年05月10日
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風は西から:リビィウへ〜その2〜

2015年05月30日
リビィウ2日目。

「要塞」ホテルの朝食を堪能し、街に繰り出します。

まず見えてきたのが、ウクライナが産んだ偉大な詩人タラス・シェフチェンコ記念碑


そしてオペラ。こんな小さな町でも、オペラがあるのね。

三連休ということでオペラ前は活気が溢れています。キエフと違って観光客らしきグループも結構いましたが、地元民の憩いの場となっているようです。

さてこの街は、昨日書いた歴史的経緯によりウクライナ・ギリシャ・カトリック教会(ユニエイトとも呼ぶらしい)の影響が強い地域にあります。これは、正教会に次ぐ国内第二の規模を誇る宗教ですが、ソ連下ではその活動が禁じられ、地下活動を行っていました(ゴルバチョフ時代に復権)。

以下は、バロック様式のドミニカ聖堂。偶然結婚式がとり行われていました。明らかにキエフで見られる玉ねぎ教会とは違いますね。この教会、戦後ソ連に接収され、1970年代に「宗教と無神論の博物館」に変えられたそうです。信者は辛かったやろうなぁ。


そして街を歩いていると、ふと雰囲気の違う教会が現れました。アルメニア教会です。この光の差し込み方、もはや芸術。もちろんこれも計算されているのでしょうね。
そして近くでアルメニア・コーヒーを飲み、休憩。はじめて飲みましたが、ほんと美味しい。



そして「世界遺産」の街並みを散策!









そう、このあたりは「リビィウ歴史地区」として世界遺産に登録されています。

改めて、ヨーロッパだぁ。



そして旦那が一番楽しみにしていたところ。
それは、リビィウ歴史博物館。上の写真6枚目のリノック広場にあります。

特に近現代史のセクションは、キエフのどの歴史博物館よりも充実していたかな。
 

この街の運命を決め、世界にも衝撃を与えた独ソ不可侵条約(秘密議定書)を結んだヒトラーとスターリン。しかしこの条約は「歴史」になりきっていないようで、昨今のウクライナ危機で「歴史問題」として再浮上しているようです。




また、以下の写真の真ん中に見えるのが、ウクライナ(特に西部)の英雄であり論争の的でもあるステパーン・バンデラ。

戦間期〜戦中とウクライナ独立のため、ウクライナ民族主義者として活動。彼は解放運動の象徴として見られています。が、話はそんな単純ではなく、上記の条約にも関わらず独ソ戦が始まると、彼はナチス・ドイツを支持(その後、ナチ占領下で独立を目指したためドイツ側に逮捕)。そうした経緯もあり、ウクライナ人の多くは、彼を対ソ、対独レジスタンスの象徴として捉えられる一方、ロシアや親ロ派側はそうしたウクライナ人を「ファシスト」とか「バンデラ派」と呼ぶのです。彼についてはもう少し勉強しなければ。


そして歴史はまだまだ終わってくれそうにありません。
ウクライナの歴史系博物館では最後のセクションがだいたい「現在進行形」の展示となっています。この国はいまだに東部での戦闘を抱えていますからね。

以下は、2004年オレンジ革命の際の展示品。焼け焦げた携帯電話なんかがあったりすると、「我々の時代の話なんだ」といつも胸が痛みます。





そして夜は、Криї́вкаというレストランへ。
ウクライナ民族主義者で主に構成され、ソ連・ドイツに対抗したUkranian Insurgent Army(ウクライナ蜂起軍、赤と黒の旗がトレードマーク)の最後の隠れ家というコンセプトでやっているお店です。

早目の時間に行ったのですが、それでも長蛇の列。
この国ではほとんど行列を見たことがないので、いかに人気店がわかる。
でも、入店には「ある儀式」を経なければなりません。その儀式とは...


軍服を着たおじさんが小窓から顔をのぞかせています。
訪問者である我々の顔を確認しています。

怪しくないと判断されたのか、ゆーっくり扉が開きます...

「パスワード!!!」

え、しらんけど...

後ろのウクライナ人がこっそり教えてくれました。


Слава Україні!!!!(ウクライナに栄光あれ!!!)


「おまえたち、ロシアじゃなくウクライナだな?」


と聞かれます。

ご飯にありつくために、「政治的に中立です」とは答えるわけにはいかず、



「はっ...は、はい!隊長!!!!」


「よぉーし、中に入れ!」


と店内に案内されます。。
席につくとといきなりショーが始まりました。



なんやようわからんことをいってます。
でも最後にはお客さんが皆いっせいにウォッカ掲げて、お決まりのフレーズ!

「Слава Україні! Героям слава!

ウクライナに栄光あれ英雄たちに栄光を!」


好っきゃなー。デモ行進ではもちろん、サッカー場でもこのスローガンよう言うてるよ。

まぁええわ、でも驚いたのがメシ。美味いやん。
こういうエンタメ系ってだいたい味は中途半端で高いですよね(東京のあそことか、あそことか、あそことか)。でも普通にいけまっせ。

いろいろ興奮しすぎて、奥様は水をこぼし、旦那様はソーセージ肉汁を飛ばしました!


これは全国展開していますが、リビィウ生まれのビール「リビブスカ(Львівське)」。
今まで飲んだ中で一番好きな味かもしれん。ウクライナはビールの名産地でもあるのですよ!

ブログのテンションがいまいち意味不明ですが、〜その3〜に続く








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風は西から:リビィウへ〜その1〜

2015年05月29日
奥様の3連休が始まるので、金曜夜から週末旅行に行ってきました!

行き先は、ウクライナ西部のリビィウ(Львів)。

あまり知られていないですよね。

歴史に詳しい方であれば、「レンベルグ(Lemberg)」、「ルヴフ(Lwów)」、あるいは「リヴォフ(Львов)」として記憶されているかもしれません。もしくは「ガリツィア地方」というのは聞いたことがあるかな。実はこの呼び方はポーランド語で、ウクライナでは「ハルィチナー地方」と呼ばれます。

なぜこのように様々な呼ばれ方をするのか。それはこの都市が様々な国(帝国)の支配下に置かれてきたからです。ざっくり書くと、ポーランド、オーストリア帝国、そして一時ロシア軍に占領された後、オーストリア=ハンガリー帝国に組み込まれ、WWI終盤に一瞬建国された「西ウクライナ人民共和国」の首都となるも、再びポーランドに組み込まれ、WWIIが始まりナチスによって包囲され、1939年に「モロトフ・リッベントロップ」協定(独ソ不可侵条約)でソ連に引きわたされ....と複雑です。

それゆえ、この街はウクライナ文化やナショナリズムの中心地でもあります。となれば、昨今の一連のウクライナ危機でも重要な役割を果たしますよね。しかも、この街について皆きれいだったよ、というのです。

ということで、こうした歴史をくぐり抜けてきた美しい街リビィウに行ってみたい!となりました。

奥様の仕事後、18時半頃キエフ郊外のボリスピリ空港に向かいます。

夜19時55分発の便。はじめての「ウクライナ国際航空」。聞いたこと無いけど落ちへんかな。でもキエフから国内線のるなら、さけて通れないよね。

え、タラップ!?めちゃ久しぶり。タラップの一番上まであがると、誰も見てないのに機体を背にしてつい手を降って写真とりたくなりますよね。ビートルズの影響かね。そんなどうでもいいことを考えているうちに到着。東京-大阪くらいですね。

21時過ぎというのにまだ明るい。リビィウの空港は小さく、空港のフェンス横で子どもが遊んでいるのが見えます。のどかやなぁ。

そして空港からタクシーで15分、ダァーーーーーーーーーん。目の前に現れたのは要塞。

そう、19世紀半ばにオーストリア帝国政府が作った要塞を改築したホテルに奥様が予約をいれてくれていたのです(わかってるぅ〜〜♪)。それにしてもすんごい雰囲気。高台にあり、大砲も構えています。

ホテルで少し休憩して、夕食のため中心部に繰り出します。

まず街を散策してみて二人がともに感じたのは、

キエフと全く違う。そしてヨーロッパだ。


建物のデザイン、街の作り方が全然違います。


ソ連っぽさがほとんどないのです。
伝わりますかねぇ〜?

さすが、ウクライナ民族主義の中心地。

ということなのでしょうか、「ビール・シアター」という観光名所にもなっている店ではこんなものが...


プーチンも、メルケルも、オバマも皆信じられなーいということでしょうか。

ギャグでも色々考えちゃいますよね。

そして夕食は口コミ評価が高かった「ランプ・バー」というところで。


乾杯のウォッカ。ビーカーできました。

量、おおない?アルコールランプ思い出したわ。

続いてニク!これでお腹いっぱいなるぅー。うまい。


そしておすすめされた、ローカルビール。これはあかんな。




でも、若者が集うええ感じの店でした。遅くまで、かなり混んでたね。
それにしても仕事終わりにきて、こっちで夕食食べて、結構町並み見て変な感じ。
欧州の夏、やっぱ最高やな!



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