政治・経済・社会 便りがないのは良い便り~Pas de Nouvelles, Bonnes Nouvelles~ 忍者ブログ

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2024年04月26日
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チェルノブイリ原発事故から30年

2016年04月26日
今日4月26日で、チェルノブイリ原発事故から30年が経過しました。

我々は昨秋に「チェルノブイリ・ツアー」に参加して、事故を起こした4号機、そして原発職員が住んでいたプリピャチという街を訪れました。その時の写真を再掲します。

 

またその時のレポートはこちらこちらです。

さて、今日は事故が発生した夜中1時頃から市民による追悼集会があったようです。また追悼記念式典も開かれました(日本からも政府要人が出席)。日本でも結構報道されているようですね。もはやこの問題は日本にとっても喫緊の課題ですから当然のことです。

一応、各種報道機関の特集記事を簡単にまとめておきます。

朝日新聞:「健康影響 事故全体でみる」、「世界の原発、行方は チェルノブイリ原発事故から30年
毎日新聞:「旧ソ連を歩いて(29)事故30年のチェルノブイリを歩いて
讀賣新聞は、特設ページをつくっており、そこにドローンでプリピャチを空撮した動画があります。

印象としては、報道の多くが原発事故の経緯を辿るもの、その後の健康への被害、チェルノブイリや周辺地域の今を扱うものが多かった。

他方、ウクライナの現在の原発政策についての分析は管見の限り見当たりませんでした。ウクライナは世界でも有数の原発依存国。昨年の国際エネルギー機関の報告書によれば、総発電量に占める原発の割合は、1位フランス(74.7%)、2位スウェーデン(43.4%)、3位ウクライナ(43%)となっています(13年データに基づく)。

しかも昨今のロシアとの関係から、ますますロシアからの政治・経済的自立を目指すウクライナはこれから原発への依存をよりいっそう深めることになる予定。一方で深刻な事故を経験しながら、他方で原発依存を深めるウクライナ。印象では国内で反原発運動や強い反核感情はないように思いますが、このあたりどうなっているのか引き続き調べたいと思います。





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ウクライナにおける「日本の年」

2016年04月13日
先週、ウクライナのポロシェンコ大統領が訪日。関西空港に降り立ち、まず京都へ。その後、安倍首相や天皇陛下と会談していましたね。こちらでお世話になっているお友達も大活躍でした!

日本でもウクライナ大統領訪問はニュースになっていたみたいですが、直前に出た「パナマ文書」にポロシェンコ大統領の名前があったことで、その「釈明」ばかり報道されていたようです。なんかウクライナのイメージがより悪化したような...

ウクライナのイメージといえば、原発事故、戦争、汚職、政治危機...ネガティブなものばかり。こちらに来るときも多くの友人から、「大丈夫?」って聞かれました。

でも、実際こちらに住んでからは、一切危険な思いをしたことがありません(もちろん油断禁物ですが、それはどこも一緒)。このブログでも色々なネタを取り上げているので、読んでいただいている方には「なんや、イメージとちゃうやん!」と思っていただけると思います。まぁもちろんメディアのお仕事は問題に焦点を当てることですから仕方ないのですが、時にはミスリーディングなこともありますね。

ということで、こちらに来て間もなく一年経過しますが、今のところ安全に暮らしております。

で、話を戻して、ポロシェンコ大統領が訪日時に、来年2017年はウクライナにおける日本年にすると発表しました。こちらでも日本語を学ぶ学生さんは多いようで、ウクライナ・日本文化センターもあります。図書館もあって日本の雑誌や漫画まで置いています。様々な文化イベントやレッスンも行われおりますが、来年はもっと活発に行われるのでしょうか。この国に住んでいるので、やはりウクライナと日本の二国間関係が様々なレベルで活発化していくことはうれしいことです!

ちなみに最近Youtubeにジャーナリストの辛抱さんによるキエフ取材動画がアップされていました。


「知られざる親日国」ということで、寿司屋や日本語ブームをとりあげるとともに、革命・クリミア編入後のウクライナ社会について追っています。キエフで寿司屋がウクライナ料理レストランの数をこえているとは知らなかった...Sushiya, Murakami, Asakusaが取り上げられています。もう「ブーム」の域を超えていますね。これは。

Oさん
チェレムシャ、見つけては買っています。確かにお婆ちゃんが可愛くてつい買ってしまいますね。
花火、時々あがっていますが、今回は相当規模が大きく時間も長かったのでプロかなと思っていました。ただ住宅街のなかでやっていたので、恐らく奥さんか愛人向けのものかもしれませんね(笑)あ、ななって呼んでください、私はウクライナ人からスラブっぽいアダ名をいただきましたが(笑)




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#TakIsJa

2016年04月02日
最近、ウクライナのSNSでよく見かける「#TakIsJa」



これどういう意味かなぁと疑問に思って調べてみると、4月6日にオランダで行われる国民投票に向けたハッシュタグでした。

ウクライナとオランダの国民投票に関係があるの?

実はこの国民投票は、ウクライナ・EU間の連合協定(association agreement)についてなのです。この協定、マイダン革命のきっかけの協定。当時のヤヌコビッチ大統領がこの協定の手続きを凍結したことで、市民がマイダンに繰り出し、反政府運動を展開しました。その後2014年に、新政権のもとですでにこの協定は調印され、これまで全てのEU加盟国で「一応」批准はされています。

が、オランダではこれへの反対運動が高まっていました(昨年7月に新たに法律ができ、発効前の法律について基準を満たせば国民投票にかけることができるようになった)。この結果は、政府の方針を法的に拘束しないものの、政治的にはインパクトがあります(政府は国民投票の結果を考慮しないわけにはいかないので)。これまでの世論調査では「反対」のほうが圧倒的多数。

そこで「やばい!」と思った親EUのウクライナ国民たちが上のハッシュタグを付けて、オランダ国民に賛成を呼びかける運動を展開しているのです。そう、Takはウクライナ語でYes,Jaはオランダ語でYesを意味しています。

#TakisJa運動のホームページはこんな感じ(http://takisja.eu/)


その他にも、大学生が英語でオランダ国民に呼びかけたり、


中学生や高校生も個人レベルで呼びかけています。


その他にも、あとは色んな市民団体やシンクタンクが連名で声明を出しています(例えば、http://iwp.org.ua/eng/public/1992.html)

そしてオランダでは、いかにウクライナが近代的な国家で、独立しているか、またこの協定がオランダのビジネスにも良い影響をもたらすかキャンペーンを展開しているとのこと。そのせいか徐々にYesは増えているという報道もありますが、やはり否決されるとの観測も。東部の戦争に懸念を示す国民が多いようです。

さて4月6日、どうなるのでしょうか?

Oさん
「誰得?」と思いながらレストラン情報をほぼ備忘録のように書いているので、お役に立ったようで良かったです。味もおいしかったですし、雰囲気も良かったですよ!あそこは横をとっても(特に昼は)見逃しますね...昨日は20度まであがって暖かかったのに、今日はものすごい風ですね。そんななか市場にでかけようと思います(笑)(実は私も落ち武者!?と勘違いしました)





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ウクライナに関する二つのドキュメンタリー

2016年03月11日
先日、2016年のアカデミー賞が発表されましたが、残念ながら、ウクライナのマイダン革命を描いた長編ドキュメンタリー「ウィンター・オン・ファイアー」は受賞を逃しました。

このドキュメンタリー映画については以前にも紹介しましたが、最近流行のNetflixが作成・配信しています。Netflixに加入している方はぜひ見ていただきたい(あわせて米国ドラマ、The House of CardsもThe Fuller Houseも最高に面白いですよ笑)。

この映画では、反政府側の視点から、当初平穏な反政府デモが次第に流血事態になる様子が描かれています。キエフに住んでいて土地勘ができただけに、この場所でこんなに激しい衝突があったのかと再認識します。カメラも前線に入り込んでおり、後に犠牲になった方へのインタビュー、そしてそれを支えた医療チームや宗教関係者などへのインタビューが豊富です。人は国の行く末のためにここまで立ち上がれるのかということを実感するドキュメンタリー。感動する一方で、あまりに美談に描かれている点は、現在の改革が進んでいない社会経済状況を鑑みると気になる所です。




他方、これとは異なる視点のドキュメンタリーもフランスのCanal+で放映されました。その名も「革命のマスク」。フランスのジャーナリスト、ポール・モレイラ氏が制作。既にYoutubeにアップされています(字幕つきもありましたが、見つけ出せず...)。



これは、革命において特に極右勢力が果たした役割に注目するものです。とりわけ親ロ的な共産主義者が立てこもったオデッサの労働組合会館を放火した事件に注目しています。また、革命における米国政府の暗躍を示唆する内容にもなっています。

製作者は、これまで欧米メディアであまり伝えられてこなかった視点を汲みとったと言っています。確かに、デモ隊のなかには怪しい勢力がかなり入り込んでいたことは事実のようですが、あまりにも乱暴な勢力や人物に注目しているため、市民側全体がこのような存在だったと誤解を招きそうな作りになっています。この点はLe Mondeの記事も指摘しているとおりです。もちろん批判に対して監督自身も答えているわけですが...。

この放映をめぐっては、在仏ウクライナ大使館もCanal+に抗議声明を出しています。しかもかなり荒々しいトーンで。またポーランドで放送されるにあたって、ウクライナ外務省が抗議の意を示したとも聞きました。このドキュメンタリーは、多くのウクライナ人からすれば納得できるものではなく、ロシアが金を出してフランス人ジャーナリストにプロパガンダ映画を作らせたなどとの批判もでています。確かにその気持はわからなくもなく、内容的にどうかなぁと思う部分がありますが、他国の放映に介入し、さらにかなり荒く批判したのはどうもいただけない。TV局をテロリスト呼ばわりしていますからね...

両者が対照的であるだけに、我々日本人としては両方ともみてバランスよく考えることが必要なことはいうまでもありません。


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衝突から2年〜Heroes of Heavenly Hundred 〜

2016年02月20日
2年前の今日、キエフでは市民と政府側の衝突が激しくなり、マイダン革命は流血事態となりました。以来、この日は「Rememberance day of Heroes of Heavenly Hundred」として、この革命で犠牲になった「英雄」達を追悼するイベントが開かれています。



広場から大統領府に向けて突き進む革命派と、それを食い止めようとする政府側の衝突。
ここは最も衝突が激しかったInstitutskaya通り。





燃やされた会館はまだ修復工事が終わっておらず、白幕が覆いかぶされ当時の衝突の様子が映し出されていました。


Institutskaya通りを登ったところには、犠牲になった「英雄達」の写真が並んでいます。


最近、このマイダン革命について、二つのドキュメンタリーが発表されました。

一つ目は、「Winter On Fire」(Netflixを契約の方はぜひご覧ください)。
今年のアカデミー賞ドキュメンタリー部門にもノミネートされています。視点は我々日本人にも馴染みが深いもので、欧米・市民側の視点にたち、暴力的な独裁政府、それにやとわれた特殊部隊に立ち向かう市民という描かれ方。


他方、市民側のなかには実は極右的で革命をエスカレートさせる人・集団が少なからずいて(これは実際にそう)、その横暴にフォーカスをあてたのが、フランスのドキュメンタリー「Les masques de la revolution」。いわゆる「オデッサの虐殺」(親露派が逃げ込んだ労働組合会館に革命派が火を放った)にも焦点が向けられています。


後者はフランスで放映されるにあたって、駐仏ウクライナ大使館がロシアのプロパガンダにのせられていると非難し、放映の中止を求めていました。

我々は当時キエフにはいなかったので、「真実」はわかりません。
否、その当時いた方でも、どの側面を見て、誰と話すかによって見え方はまったく異なってくると思います。まさにウクライナ国民もそうなのですから。

これだけの血が流れたにもかかわらず、現在もウクライナは経済面だけでなく政治面でも危機的状況。革命を受けて成立した政府の人気も今やガタ落ち。政治への不信は高まる一方で、改革派の大臣や政府高官が現政権の旧態依然とした既得権益の壁にぶつかり辞任。先日は、最終的に否決されたものの内閣不信任決議が出されたりと、状況は一向に改善していません。また市民の怒りが爆発し、同じ惨劇を繰り返さないことを祈るばかりです。


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