ウクライナに関する二つのドキュメンタリー 便りがないのは良い便り~Pas de Nouvelles, Bonnes Nouvelles~ 忍者ブログ

ウクライナに関する二つのドキュメンタリー

2016年03月11日
先日、2016年のアカデミー賞が発表されましたが、残念ながら、ウクライナのマイダン革命を描いた長編ドキュメンタリー「ウィンター・オン・ファイアー」は受賞を逃しました。

このドキュメンタリー映画については以前にも紹介しましたが、最近流行のNetflixが作成・配信しています。Netflixに加入している方はぜひ見ていただきたい(あわせて米国ドラマ、The House of CardsもThe Fuller Houseも最高に面白いですよ笑)。

この映画では、反政府側の視点から、当初平穏な反政府デモが次第に流血事態になる様子が描かれています。キエフに住んでいて土地勘ができただけに、この場所でこんなに激しい衝突があったのかと再認識します。カメラも前線に入り込んでおり、後に犠牲になった方へのインタビュー、そしてそれを支えた医療チームや宗教関係者などへのインタビューが豊富です。人は国の行く末のためにここまで立ち上がれるのかということを実感するドキュメンタリー。感動する一方で、あまりに美談に描かれている点は、現在の改革が進んでいない社会経済状況を鑑みると気になる所です。




他方、これとは異なる視点のドキュメンタリーもフランスのCanal+で放映されました。その名も「革命のマスク」。フランスのジャーナリスト、ポール・モレイラ氏が制作。既にYoutubeにアップされています(字幕つきもありましたが、見つけ出せず...)。



これは、革命において特に極右勢力が果たした役割に注目するものです。とりわけ親ロ的な共産主義者が立てこもったオデッサの労働組合会館を放火した事件に注目しています。また、革命における米国政府の暗躍を示唆する内容にもなっています。

製作者は、これまで欧米メディアであまり伝えられてこなかった視点を汲みとったと言っています。確かに、デモ隊のなかには怪しい勢力がかなり入り込んでいたことは事実のようですが、あまりにも乱暴な勢力や人物に注目しているため、市民側全体がこのような存在だったと誤解を招きそうな作りになっています。この点はLe Mondeの記事も指摘しているとおりです。もちろん批判に対して監督自身も答えているわけですが...。

この放映をめぐっては、在仏ウクライナ大使館もCanal+に抗議声明を出しています。しかもかなり荒々しいトーンで。またポーランドで放送されるにあたって、ウクライナ外務省が抗議の意を示したとも聞きました。このドキュメンタリーは、多くのウクライナ人からすれば納得できるものではなく、ロシアが金を出してフランス人ジャーナリストにプロパガンダ映画を作らせたなどとの批判もでています。確かにその気持はわからなくもなく、内容的にどうかなぁと思う部分がありますが、他国の放映に介入し、さらにかなり荒く批判したのはどうもいただけない。TV局をテロリスト呼ばわりしていますからね...

両者が対照的であるだけに、我々日本人としては両方ともみてバランスよく考えることが必要なことはいうまでもありません。


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