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2024年11月22日
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アルメニア旅行記③〜アララト工場〜
2016年05月22日
アルメニアといえば、コニャック。
アルメニア・コニャックと言えば、「アララト」あるいは「ノイ」です。
今回、工場見学に行ったのは前者の「アララト」。旧ソ連圏では大変有名なブランドです。
「アララト」というのは、アルメニア人のなかで愛される山。日本の富士山のようなものでしょうか。ただし現在この山は揉めているトルコ領にあります。こんな辛いことはありませんよね。
さて、予約などせずアルメニア市内の工場に突撃したところ、本来は事前予約が必要だけど次の英語ツアーに空きがあるからといって特別に入れてもらいました。ラッキー!
二種類あって、ツアー自体は一緒ですが、その後のテイスティングのレベルがかわってきます。会社の歴史、コニャックの製法、保存方法など色々とレクチャーを受けます。
実は「コニャック」と呼べるのは、フランスのコニャック地方産のみで、正式にはブランディーと名乗らなければなりません。アララトの方もこの点は承知しているようですが、やはり旧ソ連圏に輸出するときには「コニャック」として売り出すそうです。まぁちなみにこの「アララト」はフランスのリカー会社に買収されているんですけどね。
また政治家や有名人が訪れた際には記念樽を作るそうで、プーチン、ルカチェンコ、エリツィンといった旧ソ連諸国の政治家の樽が多く置かれていました。
ツアーでは、アララトにまつわるいろんな逸話を話してくれるのですが、やはりというのがこちら。ヤルタ会談でスターリンから「Dvin」というコニャックを送られた英国の首相チャーチルはこれを大変気に入り、その後、毎年400本仕入れて生涯愛飲したそうです。チャーチルはアルメニアのブランデーを飲み、キューバのシガーを吸って冷戦を戦っていたんですね。
そしてもう一つがこちら。これは「平和の樽」と呼ばれています。アルメニアは隣国アゼルバイジャンとの間で、「ナゴルノ・カラバフ地方」をめぐる領土問題を抱えています。そこで停戦協定の当事国の間で作られたのがこの樽。後ろの国旗は、左からアゼル、フランス、ロシア、米国、ナゴルノ・カラバフ共和国、アルメニアですね。この樽は平和が訪れた時に割られるようです。しかし今年四月初頭には停戦後はじめて戦闘が再開。我々がいく直前も、イェレヴァン市内でバス爆発事件がおきたので、まだまだ平和には程遠い状況です。この樽が開けられる日はいつ来るのか。
さぁ固いお話はこの辺りにして、いよいよ試飲タイム。先述の通り、二つコースがあり、安いほうは、3、5、7年もののコニャックを、高いほうが10(Akhtamar)、20年(Nairi)もの、そして10年ものの特別コレクション(Dvin)を試飲できます。高いといってもツアー込みでおよそ2000円。バーで飲むより断然安いです。しかも一口分かとおもいきや、写真のとおり、ガッツリです。
お姉さんが飲み方を教えてくれます。「コニャックと合うのは、3Cと呼ばれていて、Cognac(コニャック)、Cigar(はまき)、Coffee(コーヒー)よ。もう一つ加えるならChocolate(チョコ)。」とお姉さん。なんというか、大人な組み合わせですね。
そして、乾杯にまつわる小話も一つ。「アルメニアではグラスの淵に小さい悪魔がたくさんくっついていて、それをふるい落とすために乾杯すると考えられているの。酔っ払ってしまったら、それはうっかりグラスのなかに悪魔を落としてしまったせいにできるのよ」と。奥様はこの素敵なお話を聞いてえらく感動していました。
チャーチルが愛した「Dvin」の価格が最も高いわけですが、これは我々には渋すぎる。我々はまだ未熟者ということです。もっと人生の酸いも甘いも知らないと、Dvinの魅力は分からないのでしょう。
我々にとってベストは20年ものでした。飲み比べてみると、味の違いが明らかにわかります。20年ものはキャラメルのような香りでまろやか!飲みやすい。前日飲んだ7年ものとは圧倒的な差を感じます。(もしこのツアーに参加される方がいらしたら、絶対に高い方のコニャックテイスティングに申し込まれる事をお勧めします!!)
普段、旅行先で絶対お酒を買わない我々夫婦ですが、コニャックは長持ちする(半永久的にもつとのこと)ということで、今回ばかりはお気に入りの20年ものを買ってしまいました。しかもグラスまで。家でもちびちび飲みたいと思います。
さすがに短い時間で三杯全部飲みきったので、二人ともすっかり酔っ払いと化して、イェレヴァンの中心地に戻ったのでした。
◇アルメニア旅行記
アルメニア訪問記①~エチミアジンの世界遺産群~
アルメニア訪問記②~イェレヴァンあれこれ~
アルメニア訪問記③~アララト工場~
アルメニア訪問記④~もう一つの世界遺産~
アルメニア訪問記⑤~最終編:アルメニア・ジェノサイド・ミュージアム~ ↓ブログランキングに参加中です。よろしければ、1日1回ポチっとお願いします。
アルメニア・コニャックと言えば、「アララト」あるいは「ノイ」です。
今回、工場見学に行ったのは前者の「アララト」。旧ソ連圏では大変有名なブランドです。
「アララト」というのは、アルメニア人のなかで愛される山。日本の富士山のようなものでしょうか。ただし現在この山は揉めているトルコ領にあります。こんな辛いことはありませんよね。
さて、予約などせずアルメニア市内の工場に突撃したところ、本来は事前予約が必要だけど次の英語ツアーに空きがあるからといって特別に入れてもらいました。ラッキー!
二種類あって、ツアー自体は一緒ですが、その後のテイスティングのレベルがかわってきます。会社の歴史、コニャックの製法、保存方法など色々とレクチャーを受けます。
実は「コニャック」と呼べるのは、フランスのコニャック地方産のみで、正式にはブランディーと名乗らなければなりません。アララトの方もこの点は承知しているようですが、やはり旧ソ連圏に輸出するときには「コニャック」として売り出すそうです。まぁちなみにこの「アララト」はフランスのリカー会社に買収されているんですけどね。
また政治家や有名人が訪れた際には記念樽を作るそうで、プーチン、ルカチェンコ、エリツィンといった旧ソ連諸国の政治家の樽が多く置かれていました。
ツアーでは、アララトにまつわるいろんな逸話を話してくれるのですが、やはりというのがこちら。ヤルタ会談でスターリンから「Dvin」というコニャックを送られた英国の首相チャーチルはこれを大変気に入り、その後、毎年400本仕入れて生涯愛飲したそうです。チャーチルはアルメニアのブランデーを飲み、キューバのシガーを吸って冷戦を戦っていたんですね。
そしてもう一つがこちら。これは「平和の樽」と呼ばれています。アルメニアは隣国アゼルバイジャンとの間で、「ナゴルノ・カラバフ地方」をめぐる領土問題を抱えています。そこで停戦協定の当事国の間で作られたのがこの樽。後ろの国旗は、左からアゼル、フランス、ロシア、米国、ナゴルノ・カラバフ共和国、アルメニアですね。この樽は平和が訪れた時に割られるようです。しかし今年四月初頭には停戦後はじめて戦闘が再開。我々がいく直前も、イェレヴァン市内でバス爆発事件がおきたので、まだまだ平和には程遠い状況です。この樽が開けられる日はいつ来るのか。
さぁ固いお話はこの辺りにして、いよいよ試飲タイム。先述の通り、二つコースがあり、安いほうは、3、5、7年もののコニャックを、高いほうが10(Akhtamar)、20年(Nairi)もの、そして10年ものの特別コレクション(Dvin)を試飲できます。高いといってもツアー込みでおよそ2000円。バーで飲むより断然安いです。しかも一口分かとおもいきや、写真のとおり、ガッツリです。
お姉さんが飲み方を教えてくれます。「コニャックと合うのは、3Cと呼ばれていて、Cognac(コニャック)、Cigar(はまき)、Coffee(コーヒー)よ。もう一つ加えるならChocolate(チョコ)。」とお姉さん。なんというか、大人な組み合わせですね。
そして、乾杯にまつわる小話も一つ。「アルメニアではグラスの淵に小さい悪魔がたくさんくっついていて、それをふるい落とすために乾杯すると考えられているの。酔っ払ってしまったら、それはうっかりグラスのなかに悪魔を落としてしまったせいにできるのよ」と。奥様はこの素敵なお話を聞いてえらく感動していました。
チャーチルが愛した「Dvin」の価格が最も高いわけですが、これは我々には渋すぎる。我々はまだ未熟者ということです。もっと人生の酸いも甘いも知らないと、Dvinの魅力は分からないのでしょう。
我々にとってベストは20年ものでした。飲み比べてみると、味の違いが明らかにわかります。20年ものはキャラメルのような香りでまろやか!飲みやすい。前日飲んだ7年ものとは圧倒的な差を感じます。(もしこのツアーに参加される方がいらしたら、絶対に高い方のコニャックテイスティングに申し込まれる事をお勧めします!!)
普段、旅行先で絶対お酒を買わない我々夫婦ですが、コニャックは長持ちする(半永久的にもつとのこと)ということで、今回ばかりはお気に入りの20年ものを買ってしまいました。しかもグラスまで。家でもちびちび飲みたいと思います。
さすがに短い時間で三杯全部飲みきったので、二人ともすっかり酔っ払いと化して、イェレヴァンの中心地に戻ったのでした。
◇アルメニア旅行記
アルメニア訪問記①~エチミアジンの世界遺産群~
アルメニア訪問記②~イェレヴァンあれこれ~
アルメニア訪問記③~アララト工場~
アルメニア訪問記④~もう一つの世界遺産~
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