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イスラエル訪問記④~ユダヤ関連あれこれ~

2017年06月08日
大変時間がかかりましたが、イスラエル旅行記、今回でラストです。また文字が多いです。
(すでにイスラエル以外に2件も旅行記のペンディングを抱えております。まずいです。)


今回の旅で一番印象に残った存在がユダヤ人というアイデンティティ。

実は私の血の繋がらない叔母がユダヤ人だったりします。
身近なようでいて、全く知識に欠けていた、この文化について、自分の備忘録もかねて、学んだ事、思った事を書き残していきたいと思います。


イスラエルにおけるユダヤ人の割合は8割弱だそうです。どこの宗教もそうですが、沢山いれば、信仰のあり方も多様です。Wikipediaによれば、イスラエルにおけるユダヤ人の20%は厳格に信仰する人々、ある程度自由にとらえながら信仰する人々が60%、あまり守らない人が20%だそうです。

叔母なんかは、「ユダヤを宗教ととらえる人もいれば、ユダヤはただの文化だととらえる人もいるわ」とのことでした。叔母は文化寄りですね。

テルアビブには至るところにシナゴーグが。



枝の分かれた燭台。どれもメノーラーというのかと思っていたら、7つに分かれているものだけがメノーラーで、8つか9つに分かれているのはハヌッキーヤーというそうです。学んだ。
と言うわけでこれはハヌッキーヤー。
 


町のいたるところに、正統派の服(黒い帽子、黒いスーツ、伸ばしたひげ)を着た人がちらほら。



と言うわけで、ユダヤをもっと学ぼう!と思い、テルアビブでは、ディアスポラ博物館を訪問しました。きっとO家は興味ないし申し訳ないな、と思ったので、ぱぱっと単独行動です!

博物館は、テルアビブ大学のキャンパス内にあります。
http://www.bh.org.il/



やしの木生えてて、いいですねー。こんな大学に留学してみたかった。
この奥の建物がディアスポラ博物館です。


「ディアスポラ」とは元の住む場所を離れて暮らす人々や、そのように離散することそのものを指します。またしてもWikipediaを引いてみると、"Diaspora"と接頭を大文字で書く場合は、離散して暮らすユダヤ人を指すとのことです。("diaspora"と書く場合は、それ以外の民族も含む。思い浮かぶのはアルメニア人のディアスポラ・コミュニティなんかでしょうか。)


ユダヤ人には、古代エジプトで奴隷となり、モーセに率いられて出エジプトしてから、今に至るまで、迫害され続け、故郷を捜し求め続ける、長い長い数千年に渡るディアスポラの歴史があります。


建物に入って、最初のコーナーは”ボブ・ディラン”コーナー、ユダヤ人だったんですねー!
ディランについての展示区画は素敵な空間でした。BGMは勿論ディラン。



こちらの大きな石像は、古代ローマの凱旋門の復元だそう。ユダヤ人達が働かされている様子が描かれている。(写真だと規模感伝わりませんが、大きくて圧巻です。)
 

展示内容としては、ユダヤ人の古代から今までの歴史、世界各地のシナゴーグの紹介やユダヤ人の習慣・コミュニティ・美術等、様々な観点からユダヤ文化を網羅しています。

美しいですね~!



歴史コーナーは、カナンの地を離れた古代エジプトあたりから始まります。紀元前17世紀?
照明が落とされていて、全体的に暗くて怖いです(私が1人だったというのもある…)。


ばっちりと、ウクライナのコサックがユダヤ人に対して行っていた暴虐(東欧やロシアでのユダヤ人迫害は「ポグロム」と呼ばれます)についても取り上げられていますね。



ユダヤ人はどんな顔をしていると思う?という視覚的な展示。
真っ暗な中、沢山の画面に沢山のユダヤ人の顔が、老若男女、入れ替わりながら表示される。これを見ると、一概に「ユダヤ人」と言っても、人種的には本当に多岐に渡るのだと実感します。



時間がないので、かなり駆け足で回りましたが、博物館は巨大で、充実した展示でした。
また時間のある時に、ゆっくりと見直したいなーと思う次第。




それから、エルサレムでは「メア・シェアリーム」という超正統派の人が多く住む地区を車で通過しました。イスラエルに来て、聖地めぐりも勿論印象的だったのですが、この超正統派と呼ばれる人々があまりにも強烈なインパクトを残していきました。
早速黒い衣装をまとった人が。
 


この超正統派の人々、日々ユダヤの教えに忠実に暮らし、多くの人が労働せず、税金もおさめず、兵役にもついていません(=生活保護で暮らしている)。

ガイドさんによれば、彼らが労働や兵役をまぬかれてきたのは、ひとえに、「ここまで迫害されてきたユダヤの教えを、今まで守ってこれたのは、超正統派の人達がかたくなに習慣を守ってきてくれたからであり、彼らに敬意を払い、免除している」からなのだそう。

しかしながら、敬虔な超正統派と、ユダヤはただの文化、とみなす寛容派の間には、深い溝があります。税金や兵役を免除されている超正統派の人々の生活が成り立つのは、まさに寛容派が沢山の税金を払い(イスラエルはとても税金が高いです!ウクライナの物価と比べてしまっている事を差し引いても、めちゃくちゃ物価高い!)、兵役につき(イスラエルが敵国に囲まれている小さな国である事を忘れてはいけません)、超正統派の人々の義務分をカバーしているからなんですよね。



しかしながら、寛容派の人々が「お前たちが日々祈って暮らせるのは、我々が税金を払い、働き、兵役について国を守っているからだぞ」と言ったところで、超正統派の人達は「何を言っているんだ、お前たちが日々暮らしていられるのは、我々が毎日神に祈っているからだ」と、返すのみ。

わかるでしょうか。この強烈にかみ合わない、全く平行線の議論なのです。

「同じイスラエル人、同じユダヤ人というアイデンティティのはずなのに、全く分かり合えない人々が一つの国で暮らしているのよ」と言うガイドさんの言葉が、心に残りました。


しかしながら、鼠算的に増えていく(避妊が禁じられている)超正統派の人々の存在が、どんどんとイスラエルの国家財政を圧迫し始め、ついに超正統派への兵役を義務付ける法案が、(超正統派からの)大反対を受けながらも採決されたそうです。イスラエル軍は沢山の多国籍傭兵を雇っており、このお給料が馬鹿にならないとのこと。彼らをより安価な給与で済む自国民に置き換えたい、ということですね。

果たして、この国はどうなっていくのでしょう…。
 



漠然とした不安な気持ちになったところで、ガイドさんが教えてくれた面白い話を一つ。
超正統派のユダヤ人たちは、モーセの十戒の教えの一つの「汝姦淫すべからず」という教えの元、女性は肌の露出をしてはいけないし、男性は女性と目を合わせることも避ける、何より夫婦は月に1度しか性行為をしてはいけないルールになっていると。

!!??

びっくりしますよね。その月1回も、その月の生理が終わった後にくる最初の安息日(土曜日)にシナゴーグへ行き、体を清めた後(お風呂みたいな場所があるそうで)、性行為をする、と決まっているそうです。

友人が「わー、排卵日近辺。すごい。」と言ったので、あ、確かに!だから、月1回なのに、超正統派の方々はこんなに子沢山なのね…と。(でも逆に合わない人はとことん合わないのでは…?)

しかも行為時に相手の裸を見てはいけないから、間にシーツをはさんで、肝心の場所にだけ穴をあけておく、そういうシーツも売っているらしい、という、ここだけの話も教えてくれました…。
ほんとかな?もはや一種のプレイ…。戸惑う我々…。


そうしたら、ガイドさん更に驚く話を。
「少し前にテルアビブの売春宿のインタビューが放映されて、そこのお姉さんたちが語るには、宿にやってくる客の多くは超正統派の男性だったそう」と!


ちょっと!!モーセの教え!!全然守れてない!!


まあ、そうですよね。月1回って、ね。辛い人は辛いかもですよね。でもまあ、ねえ…。
(ガイドさんは「それを知るまでは、超正統派の人達って、なんてストイックなのかしら、とちょっと尊敬の気持ちのかけらがあったけれど、それを知ってリスペクトの気持ちは吹っ飛んだ」との事。笑。)



長々と下ネタを書いてしまいました。閑話休題。




とまあ、ラストがこんな話題になっちゃいましたが、イスラエル訪問記終了です。
ありとあらゆるものが混ざった、面白い国でした。


ユダヤ関連で私が今回行きそびれて大変後悔しているのが、「ヤド・バシェム」です。ここは、ホロコーストの犠牲者を追悼する為に作られた、イスラエルの国立博物館です。
http://www.yadvashem.org/

有名なのは、ホロコーストの犠牲者達の名前と写真が一面に貼り付けられた塔、「名前の広間」(Wikipediaの写真へリンク)。いつか訪れてみたいものです。気持ちが落ち込むことは間違いないですが…。


次回はぜひとも夫も一緒に、イスラエルを再訪した際に訪れたいなーと思います。

おわり。



◆イスラエル旅行記
イスラエル訪問記①~地中海を臨むおしゃれ町、テルアビブ~
イスラエル訪問記②~3大宗教の聖地、いざエルサレムへ~
イスラエル訪問記③~エルサレム旧市街とパレスチナ、聖地巡り~
イスラエル訪問記④~ユダヤ関連あれこれ~(このページ)



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>Yさま
お返事遅くなりました。ウクライナに仲間が増えるのは、喜ばしいことです!
ブログでピンポイントにご質問にお答えするのは難しいかもしれませんので、気になることがあれば、拍手でメールアドレスをご連絡ください。お返事させて頂きます。






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