キエフの博物館&美術館 便りがないのは良い便り~Pas de Nouvelles, Bonnes Nouvelles~ 忍者ブログ

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2024年04月19日
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キエフの博物館&美術館

2018年01月04日
明けましておめでとうございます!新年1本目の記事です。


旅行記ばっかりになってるから、久々にウクライナネタでも。
キエフは博物館や美術館の宝庫です。主要なものをいくつかご紹介したいと思います。


今回とりあげるのは以下5つ:
1.ウクライナ国立美術館
2.ウクライナ国立歴史博物館
3.国立チェルノブイリ博物館
4.国立第二次世界大戦歴史博物館
5.ウクライナ民族建築博物館





1.ウクライナ国立美術館
http://namu.kiev.ua/en.html

 
入場料120円くらいで、いつもすいています。
夜はライトアップされて、いろんな色になります。

ウクライナで各時代に描かれた・創られた作品が展示されています。
独特なのはおそらく、コサックを描いた作品だけを集めた部屋でしょうか。
コサックの代表的イメージ、「コサック・ママーイ」等が飾られています。
 
(念の為補足しておきますが、コサック=ロシアと思っている方が多いですが、コサックは騎馬民族で、今のウクライナの土地に多く住んでいました。ウクライナ人のアイデンティティのひとつとなっていて、キエフ市内のいたるところで、コサックの銅像やコサックモチーフの品々ををみかけます。)


こちらはとても大きな絵で、「バグダナ・フメルニツキーのキエフ入り」という絵です。

ちなみに、バグダナ・フメルニツキーはコサックの親玉みたいな人です。


私は最初の訪問でこんなことを思いました→「美術館で気づいたこと」(4コマ)






2.ウクライナ国立歴史博物館
http://www.nmiu.com.ua/

 

4階分くらいの展示でかなーり充実しています。しかも紀元前の土器とかから始まり、近現代にたどり着くにはかなりの時間を要します。


私がとても気に入ったのは、伝統衣装等の展示。各地方によって、使う色、模様が異なるところが素敵なのですが、繊細で美しい刺繍にうっとりしました。
 

ワンピースやブラウスはヴィシヴァンカと呼ばれます。
(ヴィシヴァンカについて書いた夫の記事はこちら→「ヴィシヴァンカ」)




縦長の布は、ルシニクと呼ばれていて、イコンを飾ったり、お客様が来たときのもてなしに飾ったりするものです。私もいつか、買いたいなあと思っています。


こちらは既婚女性がかぶる帽子!あああ、この色使いも模様も素敵ですね。たまりません。



もう一つ面白かったのは、ソ連時代のプロパガンダアートのコーナー。

似てないレーニン皿笑。


こちらのルシニク、ソ連建国60年を記念したものですね。ソ連は多民族国家だったので、それをたたえる様に、各民族のカップルが伝統衣装を着用している姿が描かれています。
 


それから、現代についての展示も少しあるのですが、東部で現在進行形で続いている紛争についての展示はちょっとヘビーです。
東部戦線のテントの中を通っていく演出もあったり。砲撃でボロボロになったドネツクの空港の看板の実物が置いてあったり。



こちらも興味のある方はぜひご訪問ください。






3.国立チェルノブイリ博物館
http://chornobylmuseum.kiev.ua/en/mainpage/


ここは、日本財団の支援が入っていて、なんとオーディオガイドは日本語のものがあります。ただ、正直に言うと、音声さんがかみかみなのと、きちんと聞くと3時間くらいかかることから、私は借りたことがありません笑。


入口には、除染・消火活動に使われた消防車や警察車両が飾られています。



個人的に見所は2点。一つ目は地図から消えた村の看板。
展示は2階にあるのですが、上っていく階段の天井に、チェルノブイリ事故で汚染され、村ごと埋められ、地図から消えてしまった村の名前が書かれた看板が一段毎につるされています。上るときは、普通の道路標識の看板なのに、下るときの看板は、真っ黒で、全て文字が斜線で消されている。背筋がヒヤッとします、必見。これだけ多くの村が消えたのかと、愕然とします。



個人的見所2つ目は、汚染された雲の移動ルートの動画。
2階のホールみたいな展示室の一番奥にあるタッチパネルで、事故発生後の放射性物質を多量に含んだ雲が、ヨーロッパの空の上を時系列にどのように移動していったかが分かる動画があります。
これを見ると、EU圏のほぼ全域に雲がかかったことが分かります。こちらもぞっとしますよ。


それから、「福島の祈り」というコーナーがあったり、広島・長崎との連帯コーナーがあったりして、日本人が訪れると、いろいろ思うところがあるかもしれません。

チェルノブイリ自体訪問したいけど、時間がないわあ、って方はぜひこちらの博物館を訪問してみてください。


また、チェルノブイリ原発自体を訪問した記事含め、当ブログのチェルノブイリ関連記事をご参考までにこちらにリンクを貼っておきます。(いずれも夫記事です。)
チェルノブイリツアー① 
チェルノブイリツアー②
チェルノブイリ原発事故から30年








4.国立第二次世界大戦歴史博物館(旧名:大祖国戦争博物館)
http://www.warmuseum.kiev.ua/


キエフのランドマークとも言われる、「祖国の母」像の下に博物館はあります。この像はとにかく巨大なのですが、ソ連時代、ロシアから贈られたものだそうです。モスクワの方向を向いているとか。




この博物館は、第二次世界大戦の前~戦後までを扱う博物館となっています。
CIS圏に詳しい方であれば、誰もがご存知と思いますが、旧ソ連圏では第二次世界大戦のことを、「大祖国戦争」と呼びます。しかしながら、ウクライナは現在脱ソ連・脱共産主義を進めておりますので、この博物館の名前も2015年に「国立第二次世界大戦歴史博物館(National Museum of the History of Ukraine in The Second World War)」へと改名しました。(博物館の入口の表示が変わったのは最近です。写真撮っておけば良かった!)

ウクライナは、ナチスドイツとソ連がぶつかった場所ゆえ、歴史は血みどろです。(興味のある方は、最近話題になった、ティモシー・スナイダーの本など読まれると良いかもしれません。)

また、博物館の1階は、現在も進行中の東部紛争についての展示となっています。紛争が継続中であるが故に、訪問する度に展示内容の充実度が増しているという悲しい有様です。
東部戦線で銃撃を受けてボロボロになった車両、亡くなった兵士の私物、血のついた戦闘服、あたりに散らばる銃弾を集めて、巨大な箱に入れた展示等々、言葉を失う事うけあい。




ちらりと夫がこの博物館についてふれている記事も置いておきます。
2015年の「大祖国戦争」戦勝記念日







5.ウクライナ民族建築博物館
http://www.kiev.info/culture/folk_architecture.htm
※オフィシャルWEBが見つからないので、情報サイトのリンクです。


ウクライナの各地方の風車や民家、教会等をそのまま持ってきて展示している屋外博物館。
 


晴れた春~初秋にはとても気持ちのいい場所です。夏の週末は家族連れでにぎわいます。
 

ピクニックに最適な場所で、シャシリクの屋台やビール、クヴァスなんかも飲めます。週末は民族舞踊のイベントなんかもあったりします。



あと、ウクライナの伝統衣装の花冠を頭につけて、写真を撮れるコーナーもあります。
お花のチョイスが盛りだくさんで楽しいですよ。


キエフ市内中心部からは車で20分くらいのところにあります。アクセスは悪いので、タクシーか乗りあいバスを乗り継いでご訪問ください。

旦那記事:
ウクライナ民族建築博物館





おまけ

下記は夫の趣味の範囲の博物館の記事リンクです。軍事系がおすきなひとはご参照ください。

6. ウクライナ国立航空機博物館


7. ウクライナ軍事史博物館




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